債権回収の流れ

延滞債権は、短期延滞債権と長期債権に分けられ、別の方法で回収がおこなわれます。

クレジットカード 審査ガイド

各クレジットカード会社はどのような方法で債権の回収をしているのでしょうか?

債権回収はクレジットカード会社の収益に直結する

クレジットカード会社の業務の中で、経営上非常に重要な部門が債権回収です。最近では金融危機を発端とした不景気もあり、カード会員の支払い能力が落ちていることで債権回収はより困難になってきています。

カード会社の債権回収部門は未払い会員に対し、支払いの滞りをできる限り短くするため、電話や手紙によって入金の依頼をしています。さらに深刻な場合には面談、そして法的手続きをその延滞の深刻度に応じておこなっています。

延滞の発生率は一般的に、利用金額の0.4%ほどであるといわれています。延滞は長引けば長引くほど、遅延料金などが加算されて返済が困難になるため、各カード会社は延滞している会員への督促通知はできる限り迅速におこなうようにしています。

カード会社によっては債権回収部門を独立した会社にし、自社グループ以外のカード会社などから債権回収業務を受けるところもあります。さらにはカード会社だけではなく、地方銀行の不良債権の回収業務などをする場合もあります。

債権回収の方法

債権回収は、短期と長期の延滞債権に分けられ、それぞれ別の方法で回収作業が行われます。

延滞期間が1ヶ月未満の債権の場合、うっかり入金を忘れたり、口座残高が不足していることに気づかなかったりという会員に対する回収作業になります。具体的にはオートコールシステム(自動電話)や手紙による入金のお願いになります。

一ヶ月未満の「うっかり延滞」は利用金額の0.8%ほどといわれています。その内の半分の0.4%ほどが延滞債権になります。

1ヶ月以上未入金の状態が続くと、長期債権になります。カード会社によりその対応は様々ですが、一般的には一時延滞からの交渉を続け、金額によっては法的手続きを取る流れになります。

また、6ヶ月以上入金がなく、回収の見込みがたたない債権のことを「貸倒債権」と呼び、それらの債権は最終的には貸倒償却という会計処理上の措置をとることになります。